1型糖尿病患者のおどおど記録

10年間の糖尿病患者、日常の闘病記録を書いています。2010年秋に発症に突如発症した一型導尿病と付き合って10年、それまでのこと、これからのことの記録です。

最初の診断では、逆流性食道炎、そして血液検査の結果、糖尿病と言われた

馴染みのクリニックを訪ねたのは、もう一月以上続いている喉と口内の渇き、そして頻尿にたえ切れなかったからだ。クリニックにいく1週間前は、この症状はドライマウスではないかと自己判断して診てもらったのだけど、見事見当外れで、「異常なし」と言われていた。

クリニックの先生には、これまでの自分の体の状況を話した。

体重も55キロくらいになっていた。約1ヶ月超で7キロ近くも落ちていた。

血液検査のための採血もあったが、結果が出るには数日かかると言われたので、先生は私の話を総合的に判断して「逆流性食道炎の疑いがある」として、薬を4日分出してもらった。

 

早速、この日の夕方から逆流性食道炎の薬を飲み始めた。

翌日には、喉の乾きがいつもよりマシになっているを少し感じたので、効き始めたぞ!

治癒への道が見つかった!と内心喜んだのであった。

そして、二日ほど経つと、さらに改善が見られて、頻尿感も減り、夜中に起きることがなくなった。一晩ぐっすり眠れることのありがたみを久しぶりに味わうことができたのでした。

 

数日が経ち、クリニック2回目の受診を迎えた。順番が回ってきたら、先生には「改善傾向を感じます」と言おうと思っていたのだが、椅子に座った途端に、先生から「血液検査の結果だけどね、糖尿病だと思われる」といきなり言われのでした。

 

私は「?』、目が点である。

太ってもないのになぜ?

先生は「血統の状態を示す、Hb1c (ヘモグロビン エー ワンシー)が14.5%なの、正常値は6ぐらいだから、相当ひどいよこれ』

今の私なら、14.5%という数値がどれくらい高いか、肌身でわかるが、当時は「糖尿病」という言葉のインパクトにただただ呆然とするだけでした。

 

それに、なんだか格好悪い気分にもなりました。これまで健康的なのが自分らしさだったし、実年齢よりも比較的若く見られるのが常だったのもあるでしょう。初老の病気にいきなりかかってしまった。というような感じだったでしょうか。

 

とにかく、糖尿病に関する予備知識はほとんどなかったので、どうしたら良いのかわからず、

先生には「去年の健康診断では正常値でした、元に戻すには、どうしたらいいですか」と尋ねてみました。

 

先生「とにかく運動をすること、そして甘いもの、炭水化物を含む食事を減らすことです」

私「運動は週4回前後行ってます。甘いものは減らすよう頑張ります」と答えているものの、糖尿を宣言され気落ちした様子が出ていたのでしょう。

先生「私の弟も糖尿です。食事でコントロールして改善してますよ、しばらく頑張って見ましょう』

私「はい」この時は、これしか言えませんでした。頭の中では「おやつのシュークリームとコーラの組み合わせ、食後の甘いお菓子、ご飯のどか食い、、、もう、やめなければ」という、これまで普通になっていた生活を制限することの悲しさ、これからどんなものを食べていけばいいのかという不安」これらが混沌と脳内を渦巻いていました。

先生「血糖値を下げるには膵臓がきちんと働かなければならない。それを助ける薬を出すので、用法用量を守って飲んでください」

私「はい」

他に先生からは、ストレスをためないこと、食事に気をつけるための、わかりやすいガイドブックも錠剤と一緒にもらい、帰路へついたのでした。

 

帰宅早々、妻からは「どうだった?」と聞かれました。心配していたのだろう。

「糖尿病と言われた」

「何それ、そんな体格じゃないのにね」

「肥満じゃなくても、血糖の値が高くなるんだって」

「ふーん、ま、原因がわかったんだし、薬を飲んで、食事に気をつけて、しばらく様子を見ましょう」妻は比較的冷静だった。私も妻からその言葉を聞いて少し安堵した。その言葉にすがるしかなかった気持ちだった。

 

この日以後は、妻の協力を得ながら、野菜を増やした料理、お米の量を減らした食事が始まった。

薬もきちんと処方通りとり始めた。

運動は、これまで通り、ジムに通った。体重は落ちたが、体が軽くなった。有酸素運動では気分良く動けていたのだが、これが病気による体重減では元も子もないと思わざるとえなかった。

 

錠剤を飲み続けていると、その効果はすぐに出た。逆流性食道炎と診断され出されて飲んだ薬も一定効き目があったけど、糖尿病治療のための専門薬は的確に聞いているように感じられた。

 口内・喉の渇きはほとんどなくなったし、水分の異常摂取も激減した。それに伴い頻尿もなくなった。これで膵臓が元気に戻ってくれればいいんだが、、、と願うばかりであった。しかし現実は厳しい。現状から考えると、この憶測は楽観であったとした言いようがい。

 

並行して、糖質制限の食事に取り掛かってもいた。

当初から、ある程度は、できるものの、長年に及んで深く根ざした生活習慣を変えることは、容易いことではなかった。

まず、コーラ類をやめようと思ったが、これがなかなか難しかった。

コーラには、角砂糖でいうと500mlに15個近くが入っている、真っ先にやめるべきものであった。同様の炭酸飲料も同程度入っているので、飲むのをやめる努力に取り掛かった。

 しかし、中毒性があるのか、飲みなくてしょうがない衝動に頻繁に襲われた。

時には、ダイエットコークなら許した時期もあったほどだ。

大好きなシュークリームも減らした。同様に菓子パンもだ。

米のどか食い、これもやめる努力を繰り返した。ゆっくり噛む。それだけがなかなかできないのである。口に入れると、いつも間にかすぐに飲み込んでしまうのである。

これも身に染みた習慣、変えるには相当の期間がかかったと思います。

10年経った今では、当時と比べると大きく変化していますが、いまだに止められない、食生活の習慣は残っています。この大変さは、また、別の稿で改めて詳しく書くつもりです。

 

処方された薬はジャヌビア50mg

この小さい錠剤を一つ飲むことで、激しい喉の渇きから解放されました。

しかし、これで糖尿病が治るわけではない。

膵臓インスリンを出すのを助けてくれるのだ。膵臓がちゃんと働いてくれれば、

糖尿病が改善するんだが、そう簡単にはいかないのが、この病気である。

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